学振の審査結果をどうやって分析するか。part1
こんにちは。Junです。
コロナの自粛も2ヵ月目に突入し、
そろそろ飽きてきましたね。。。
おそらく6月には大学院生の研究活動も全国的に再開してよし、
という流れになるのではないでしょうか。
5月下旬に差し掛かっていますので、
学振の提出が終わっている方も多いと思いますし、
学内〆切までもう時間がなく焦っている方も多いと思います。
そこで今回は、書類で落選した場合にのみ開示される
学振の審査結果の分析方法についてまとめたいと思います。(主にDC)
採用されなかった場合、次にどう生かすのか...、
それを考える上で良い材料になるものが審査結果です。
まあ、できることなら採用されて審査結果は見たくはないですが笑
審査結果が返ってくるのは10月上旬と、まだまだ先なのですが
選考方法などのイメージは申請前にも持っていた方がよいと思いますので
ご一読いただければと思います。
~目次~
選考方法
選考方法について確認してみます。
学振の提出時に「審査区分」を選びますが、
これに応じて審査員が6人割り当てられます。
これを書面審査セットといいます。
専門分野のバランスなど色々考慮に入れて割り当てているようです。
ただ、申請件数が少ないような審査区分では
公平性の面から組み合わせてグループ化したりするみたいです。
つまり、申請時に審査区分を選んだけれども
審査員の専門分野がその区分であるとは限らないということです。
この点についてはやや考慮に入れる必要があると思います。
まあ、そもそも論として専門性が高い申請書の研究内容を
完璧に知り尽くしているような審査員にはなかなか当たらないと思いますが。。
基本的に専門分野でない人が読んでも分かるような分かりやすい申請書であれば
問題ないということですね。
余談ですが、審査区分を変えたら採用されたという話を聞いたことがあります。
正直、審査区分以外にも恐らく申請書の内容を修正していたりもすると思うので
一概にはそう言えないと思うのですが、
審査に直結するので審査区分は提出前によく考える必要はあるかと思います。
☟選考方法についてQ&Aの部分に記載されているので確認してみてください!
実際の審査結果からわかること
審査結果は10月上旬ごろに開示されます。
心臓ドキドキです。
昨年(2019年)は9月30日にメールが届きましたので、
開示時期はやや前後すると考えていてよいと思います。
審査結果から以下の3つのことが分かります。
・不採用者の中のおおよその順位
・審査員の平均値
・総合評価のTスコア
また、参考として自分が申請した審査区分の
申請者数、採用内定者数、不採用者数も記載されています。
審査結果から、直接的に自分の順位というものは分かりません。
しかし、計算すると順位がほぼ明らかにできます。
悲しいことに、審査結果が届いた=不採用ですので
審査結果を分析し来年の学振に生かしましょう...泣
不採用者の中のおおよその順位
不採用者のおおよその順位は以下のように分類されます。
A: 不採用者の中で上位20%以内に位置していた。
B: 不採用者の中で上位20%超~50%以内に位置していた。
C: 不採用者の中で上位50%に至らなかった。
この分類に従って自分のおおよその順位が記載されます。
実際の審査結果では「あなたのおおよその順位は「A or B or C」でした。」
というような形で記載されます。赤字です。。
申請者数と採用内定者数も申請書類に記載されているので、
この分類からおおよその自分の順位は分かります。
例えば、申請した審査区分の選考状況が
申請者数500人、採用内定者数90人、面接候補数10人、不採用者数400人で、
おおよその順位が「B」だった場合を考えます。
不採用者数400人のうち、上位20%超~50%以内ということになりますので
不採用者中21~50位であることが分かります。
採用者内定者数も含めた審査区分中では121~150位ということですね。
審査員の平均値
審査結果から審査員の評点結果の平均値も分かります。
評定要素は、年によりやや変わるかもしれませんが、
昨年(2019年)のものを示します。
評定要素は以下の4つです。
①申請者から推量される研究者としての素質
②研究計画
③研究計画遂行能力
④総合評価
これらの評定要素それぞれに対して評点をつけることになっています。
評点をつける際の基準は以下の通りです。
①~③の評定基準は、
5: 非常に優れている
4: 優れている
3: 良好である
2: 普通である
1: 見劣りする
④の評定基準は、
5: 採用を強く推奨する
4: 採用を推奨する
3: 採用してもよい
2: 採用に躊躇する
1: 採用を推奨しない
例えば、ある申請者の審査結果が
①申請者から推量される研究者としての素質:3.33
②研究計画:2.5
③研究計画遂行能力:3.83
④総合評価:3.67
というような平均点だとすると6人の各審査員の評点予想が大まかにできますね。
3.33→4/4/3/3/3/3
2.5→3/3/3/2/2/2
3.83→4/4/4/4/4/3
3.67→4/4/4/4/3/3
という感じです。
①の研究者としての素質は全体の申請書全体と自己PRの部分、
②は研究計画の部分、③の研究計画遂行能力は業績あたりが絡んでくるでしょうか。
各評価要素の平均点を見て、
自分の申請書の何が足りなかったのか考えられると思います。
申請区分にもよると思いますが、DC1, 2では総合評価で3以上は間違えなく必須、
採用されるには3.5くらいが必要になってきます。
PDではさらに高評価が求められてくると思います。
総合評価のTスコア
最後に、審査結果から総合評価のTスコアが分かります。
Tスコアに関して以下のように説明されています。
総合評価について、各審査員が担当した申請の全評点を偏差値処理し、平均3.0、標準偏差0.6となるように補正した値。値が大きいほど上位に位置する。例えば、Tスコア3.0である場合、当該区分の全申請者のほぼ中位(50%)に位置する。
テストの点数の偏差値みたいなものですね。
総合評価の偏差値ということになります。
このTスコアを用いると
・審査区分における自分の順位
・採用内定者になるために必要だったTscore
が算出可能です。
少し記事が長くなってしまいましたので
記事を分けたいと思います。
次の記事でTスコアを用いた分析を行ってみます。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
それではまた!
Jun
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